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作物がもっとも美味しく食べられる時期である「旬」。
美味しい桃の旬の時期は?と問われると、ずばり夏である「6月から9月」になります。
ただし桃は品種によって少しずつ旬の時期も異なりますし、各産地によっても旬の時期が異なります。
よけそ農園では桃・みかんの旬の時期になりましたら、お知らせメールをお送りさせていただいております。
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これは生産者である私たちが、一番悩ましく思っていることなんですが、旬の時期であったとしても梅雨の長雨があまりにも降りすぎると、最盛期でも美味しくない水っぽい桃が収穫されることがあります。
美味しい桃の品種であったとしても、熟しきらないうちに早く収穫しすぎると甘さが足りないですし、熟しすぎると傷みやすく、味も美味しさが損なわれます。
これらが「桃は当たりはずれがある」と言われる理由なんですが、やはり「適地で美味しい品種を生産技術をもった生産者が栽培して、適熟で収穫しているか」ということが一番大切なことだと思います。
生産者によって栽培方法は異なりますし、まったく時期が外れた秋・冬であったとしても、とても美味しい桃を提供している生産者はいらっしゃいます。
ですので、美味しい桃を栽培されていると評判の良い生産者から購入いただくことをオススメいたします。
農林水産省の「農林水産統計」を参照して、最新のデータを調べてみました。
結果樹面積は 9,290ha で、前年産に比べ 250ha(3%)減少した。 収穫量は9万 8,900t、出荷量は9万 1,300tで、前年産に比べそれぞれ 9,000t (8%)、8,200t(8%)減少した。
令和2年度 農林水産統計より
令和2年度桃の生産量は9万 8,900トン。これだけ見ると全国ではすごい量の桃が収穫されています。想像したとおり桃の生産量は年々減少傾向にはあるんですが、1年で8%の減少はかなり大きいと感じました。このペースで進むと6年ほどで半分になってしまいそうです。
当園も一昨年は台風、去年は長雨と強風の影響があって、多くの木がおられてしまいました。。昨今の天気は桃の生産者にとって厳しい状態が続いているのも現実です。
次に都道府県別に生産量のランキングを調べてみました。
トップは山梨県、2位 福島県、3位 長野県で生産量の6割を占めています。続いて4位の山形県、わが和歌山県が5位として入っています。意外かと思われるかもしれませんが、岡山県は桃の産地として有名ですが、生産量ランキングTOP5には入っていないのです。
山梨県の桃の旬の時期は6月中旬~9月下旬になります。
主な品種は以下になります。
加納岩白桃、一宮白桃などは山梨県で育成された品種として有名です。主な品種のラインナップを見ると、だいたいどこの産地なのか、桃の生産者だったらわかるかもしれませんね。
生産地の特徴を調べてみると、内陸部にあり昼夜の寒暖差が大きいため、甘い果物ができやすくなります。また甲府盆地とよばれる盆地があり、盆地には扇状地とよばれる、水はけのよい地形ができるのですが、こういった条件が桃の栽培には適しているのではないかと思われます。
あまり知られていませんが、山梨県は日照時間でも日本一です。ちなみに和歌山県は3位となっています。
福島県の桃の旬は7月~9月になります。
福島県の主な桃の品種は、
かなり多いですね(笑)。独自の品種も多く、福島県は品種の開発にも力を入れているのかもしれません。やはり福島県の桃といえば、真っ先に思いつくのが「あかつき」でしょうか。果肉が固めの桃の品種が多いというイメージがあります。
産地として特徴を調べてみると、やはりここも福島盆地があります。多くの産地が県内の盆地に集中しており、夏の暑さが甘みを凝縮させることで、美味しい桃が育てられているようです。
長野県の桃の旬の時期は6月~9月になります。
長野県の主な桃の品種は、
やはり長野県といえば、川中島白桃が有名ですね。あの「川中島の戦い」でも有名ですよね。あとはなつっこも育てやすい優良な品種です。
生産地としての特徴を調べてみると、山梨県と同様の条件になるのですが、内陸部で昼夜の寒暖差が大きく美味しい果物が育ちやすいです。また長野盆地があることから、扇状地があり、水はけがよいため桃の栽培に適していると言えます。
桃の産地には盆地が多いのが調べてみてよくわかりました。
山形県の桃の旬の時期は8月上旬~10月上旬になります。他の産地が9月が最終になっているようですが、山形は10月上旬まで桃を生産することができるようです。
桃は大きな桃の産地としては最北の位置にあり、収穫が始まるのも遅いのですが、そのぶん遅い時期まで収穫することができます。
山形県の主な桃の品種は、
やはり比較的おそい時期に収穫される品種が目立ちます。
山形県の産地の特徴としては、こちらも山形盆地があり、日中は暑く、夜はエアコンがいらないほど涼しい盆地特有の気候だそうです。最北の大産地として、10月まで桃を出荷できるというのも、強みの一つですね。
ようやく当園がある和歌山県が出てきました!
和歌山県の桃の旬の時期は、6月中旬~8月中旬になります。
産地としては最も南にあるので、もっと早い時期に収穫が始まるかと思いきや、他の産地とほぼ同じです。これには理由がありまして、早い時期に収穫される桃というのは、小さい桃ができる傾向にあります。
小さい桃というのはどうしても商品価値が低くて、育てるには生産者に敬遠されがちです。当園でも一番早くに収穫される桃は「ちよひめ」でこれより小さいとちょっと厳しいですね。。
和歌山県の桃の品種は、
やはり早めに収穫される桃の品種が多いです。他産地では川中島白桃以降の桃も多いのですが、和歌山ではあまり栽培されていません。
和歌山の産地としての特徴は、今までの産地の特徴であった盆地ではありませんが、紀の川流域の水はけのよい土地に植えられていることが多いです。
産地としては最南端ということもあって、収穫される時期が早いことがあげられますが、温暖化が進んで最近はさらに早くなってきている気がします。もっとこの利点を活かして、栽培に取り組んだほうがいいかもと、産地の調査をしながら考えるようになりました。
岡山県は産地として、生産量TOP5には入っていないのですが、産地としてはとても有名ですよね。そこで岡山県も調べてみました。
岡山県の桃の旬の時期は、6月中旬~9月になります。
岡山県の主な桃の品種は、
さきほどの説明でもあったように、生産量のTOP5に入っていない岡山県なんですが、知名度では1、2を争うほど有名です。
「桃太郎」で有名だから?など色々考えてみたのですが、これはブランディングが成功しているからかもと考えるようになりました。岡山県自体が桃をイメージしやすいことに加えて、「白桃」「清水白桃」などどいった果皮が白い状態で育てる白桃系の品種に特化して生産しています。
白桃は果皮が白い分、ももの傷や汚れが目立ちやすく、袋掛けを何重にもするなど栽培に非常に気を使わなければなりません。手間も非常にかかってしまうのですが、岡山県の白桃というのは高級な桃としてのイメージが定着しており、高単価で販売されていることが知られています。
こういった産地としてのブランディングは、私どもも見習っていかなければならないところです。
今回、色々と桃の産地を調べてみて、当園にとっても参考になる部分がとても多かったです。特に品種のラインナップは常に見直していきたいのと、ブランディングをあわせて考えていきたいと思います。
これからは産地というよりも、生産者・農園がブランドとなっていく時代であると思います。
当園でも強みは何なのか、高糖度の桃(最高糖度29度)が生産できるという強み、農園からの迅速な配送、品種や最新の生産技術の導入など、色々な点を情報発信をしていく予定です。
桃(6月~8月)、みかん(10月~12月)、レモン(11月~1月)と美味しい旬の時期は限られており、
また年によっては早めに完売となることがあります。
「販売はまだ?いつから始まるの?」や「え?販売はもう終わったの?」などのお問い合わせを多くいただいておりまして、
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何回かお問いあわせいただいて気づいたのが、「桃の美味しい旬の時期」があまり知られていないということでした。美味しい桃を食べるには旬だけを気を付ければいいのか、日本各地の産地では旬の時期もずれるでしょうし、生産量ランキング、主な品種なども気になって調べてみました。